カラーマーキングの使用に関するユーリング(EURING)のガイドライン(仮訳)
http://www.cr-birding.be/
カラーマーキング調査のプロジェクト間でより適切な調整を行い、情報をすべてデータベースに集中させるため、標識センターのカラーマーキング調査の許可については、以下のとおり、より厳密な取扱いが必要である。
・カラーリングの使用には、当該国から標識調査の許可、ならびに国の標識センターの同意が必要である。
・カラーリングは、当該国の標識センターの公式リングへの追加標識としてのみ使用すること。
・標識センターは、他のプロジェクトとの調整が完了した場合に限り、カラーリングの許可を出すこととする。
・EURINGは全ての鳥種(種のグループ)の調整担当者(コーディネーター)を決定する予定である。カラーマーキング調査は、その開始前にこのコーディネーターに連絡しなければならない。コーディネーターは、国の標識センターと密接に連携し、標識研究者にリングの色や文字の組み合わせを指示する。
・観察者から正しく調査研究者へリングの目撃情報の報告が行われるために、一地域においては一つの種の調査は一つにしなければならない。
・標識センターは、標識調査の全情報と当該調査対象の目撃情報を全て標識センターへ送付する標識研究者には、カラーマーキング調査の許可を発行・延長しなければならない。
・標識センターは、全ての目撃情報をセンターの集中データベースに蓄積しなければならない。
・最も重要なことは、誰も同じ色と文字の組み合わせを使っていないと確信できるまでは、けっしてカラーリングの調査をはじめてはならないということである。
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EURING guidelines on the use of colour markings
In order to increase coordination between projects and to get all the information
to the central database, ringing schemes need to handle permissions for
colour ringing more strictly:
- before using colour-rings a national ringing permit and the agreement of the national ringing scheme is needed.
- only use colour-rings as additional marking to the official rings of the national ringing scheme.
- ringing schemes should issue colour ringing permits only after coordination with other projects has been assured.
- EURING is on the way to find coordinators for all species (species group). This coordinator has to be contacted before starting a colour-ring program. The coordinators in close cooperation with the national ring scheme give the ring (colours, code) combinations to the ringers.
- in an area there should be only a single project for each species to make it easier for observers to report the rings to the right projects.
- ringing schemes should issue and prolong colour ringing permits on the condition that the ringer sends in all information about ringing and resightings to the scheme.
- ringing schemes should store all the sightings in their central database.
- the most important thing is that you NEVER start a colour ringing programme before being certain that nobody has used the same colour and code combination.
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ユーリングのカラーマーキングのガイドラインを通して日本・東アジアの課題を探る
(大阪バードフェスティバル2010用に作成 2010年11月20日版)
上記のガイドライン訳のそれぞれに日本・東アジアの事情の説明や課題を★印以下に書く。
カラーマーキング調査のプロジェクト間でより適切な調整を行い、情報をすべてデータベースに集中させるため、標識センターのカラーマーキング調査の許可については、以下のとおり、より厳密な取扱いが必要である。
・カラーリングの使用には、当該国から標識調査の許可、ならびに国の標識センターの同意が必要である。
★課題 日本ではセンターの同意なく許可が出せる
・カラーリングは、当該国の標識センターの公式リングへの追加標識としてのみ使用すること。
★課題 学術許可だと金属足環装着が不要
・標識センターは、他のプロジェクトとの調整が完了した場合に限り、カラーリングの許可を出すこととする。
★課題 日本ではセンターでなく環境省・自治体の学術許可で行われている
・EURINGは全ての鳥種(種のグループ)の調整担当者(コーディネーター)を決定する予定である。カラーマーキング調査は、その
開始前にこのコーディネーターに連絡しなければならない。 コーディネーターは、国の標識センターと密接に連携し、標識研究者にリングの色や文字の組み合わせを指示する。
★課題 日本国内のコーディネータを確認し英文発信が第一の課題。東アジア地域の調整母体も必要。
・観察者から正しく調査研究者へリングの目撃情報の報告が行われるために、一地域においては一つの種の調査は一つにしなければならない。
★課題 調査者が増えるとカワウの方式のような調整が必要
・標識センターは、標識調査の全情報と当該調査対象の目撃情報を全て標識センターへ送付する標識研究者には、カラーマーキング調査の許可を発行・延長しなければならない。
★課題 日本ではバンダーはカラーリングの標識情報を提出。目撃情報提供については今後の課題。
・標識センターは、全ての目撃情報をセンターの集中データベースに蓄積しなければならない。
★課題 日本では金属足環付き+写真確認情報をデータベースに受け入れという原則。
・最も重要なことは、誰も同じ色と文字の組み合わせを使っていないと確信できるまでは、けっしてカラーリングの調査をはじめてはならないということである。
★課題 調査者はどうすれば確信できるか