世界湿地の日を祝うin湖北(2011年2月24日)報告
構成:須川恒(琵琶湖ラムサール研究会)
開催趣旨
毎年2月2日前後の1ヶ月を世界湿地の日として、1971年2月2日にイランのラムサールで締結された湿地保全の国際条約であるラムサール条約を啓発する活動が世界各地で行われています。1993年に条約湿地として琵琶湖が登録され、1997年に湖北(長浜市湖北町)に開設された琵琶湖水鳥・湿地センターにおいて、特に40周年記念でもある世界湿地の日を祝う集いを2月24日に行いました。
オオヒシクイの渡りで湖北とつながりの深いカムチャツカの鳥類学者ニコライ&ユーリ(愛称ユーラ)、ゲラシモフ氏が湖北に滞在しておられる時期にともに祝う企画となりました。 (両ゲラシモフ氏の過去の講演要旨)
湖北野鳥センター(琵琶湖水鳥・湿地センターのとなり)では世界湿地の日のコーナーを3月中に設けていますので、ごらんください。
世界湿地の日についての詳細は琵琶湖ラムサール研究会による以下をお読みください。
http://www.biwa.ne.jp/~nio/ramsar/ovwwd1.htm
世界湿地の日の活動は1997年からはじまっています。
各地の活動報告を、スイスにあるラムサール条約事務局に報告し、世界の人々は、条約のウェブサイトから各地の活動内容が見ることができます
2009年のは(2010年のは日本からの報告は掲載されていなかったので)以下です。下にスクロールすると、国別に出てきます。
http://www.ramsar.org/cda/en/ramsar-activities-wwds-world-wetlands-day-2009-21803/main/ramsar/1-63-78%5E21803_4000_0_
以下に、ラムサール条約事務局への報告案をもとに、世界湿地の日を祝うIN湖北の内容を紹介します。
事務局への報告(英文)
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『世界湿地の日』を祝おう!in 湖北
主催:琵琶湖水鳥・湿地センター
和文サイト http://www.biwa.ne.jp/~nio/index.html
英文サイト http://www.biwa.ne.jp/~nio/eng/index_e.html
後援:琵琶湖ラムサール研究会
和文サイト http://www.biwa.ne.jp/~nio/ramsar/projovw.html
英文サイト http://www.biwa.ne.jp/~nio/ramsar/projen.htm
2011年2月24日(木)午後2時〜4時
場所
琵琶湖水鳥湿地センター1階レクチャールーム
(滋賀県長浜市湖北町今西)
http://www.biwa.ne.jp/~nio/index.html
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WWD2011(World Wetlands Day;世界湿地の日)in湖北の報告
植田潤(琵琶湖水鳥・湿地センター
ラムサール条約40周年おめでとうございます!
日本で最大の湖琵琶湖は、1993年にラムサール条約の条約湿地として登録され、隣接したヨシ原の広がる西の湖は2008年に追加登録されました。2011年2月24日(14:00-16:00)に、私たちはWWD2011をお祝いする会を、カムチャツカからの二人の鳥類学者とともに、琵琶湖水鳥・湿地センターで行いました。この会は、琵琶湖水鳥・湿地センター&湖北野鳥センター(写真1)が主催、琵琶湖ラムサール研究会の後援を受けました。
写真1 琵琶湖水鳥・湿地センターの玄関は、琵琶湖を象徴する鳥であるカイツブリの顔に見えます。この写真の右側の建物は、琵琶湖の水鳥を観察するための諸設備がある湖北野鳥センターです。
プログラム
開催の挨拶 清水幸男(琵琶湖水鳥・湿地センター長)
講演
(1)須川恒(琵琶湖ラムサール研究会・龍谷大学)「ラムサール条約と世界湿地の日; CEPA(対話・教育・参加・啓発)と湿地目録」
40年間のラムサール条約の歴史を日本語で理解できる3冊の出版物を紹介しました。 この出版物の重要性はあまり国内では理解されていないと思います。一つ目は、G.V.T.マシューズが1993年に出版して、日本語に翻訳された本です。二つ目は、2006年に出版され翻訳されたラムサール条約マニュアル第4版です。三つ目は、琵琶湖ラムサール研究会が出版した冊子です。最後の二つは、琵琶湖水鳥・湿地センターで入手することができます。
この講演の要旨
(2)ユーリ・ゲラシモフ&ニコライ・ゲラシモフ(ロシア科学アカデミーカムチャツカ太平洋地理学研究所)「カムチャツカにおける国際的に重要な鳥類の生息地」
1994年になってロシアでは新しい段階のラムサール条約のプログラムの展開として、ロシアで35ヶ所の湿地が政府によって条約湿地への登録がされました。ここにはカムチャツカで、パロポル谷、カラギンスキー島、モロシェチナヤ川、ウトホロク岬の4つの湿地が含まれていました。鳥類学者は、ロシアにおいて重要な湿地に関する情報の集積を続けました。この結果、ロシアのラムサール条約湿地のシャドーリストが2000年に出版され、ここには175ヶ所の湿地が含まれ、そのうち14ヶ所がカムチャツカの湿地でした。
この講演の英文要旨
この講演の要旨の仮訳
(なおこの報告とともに、以下のウラジオストックで行われた講演のスライドをみせていただき、日本とカムチャツカの渡りをする水鳥にとって重要なカムチャツカの州立禁猟区の廃止問題に関する説明を受けました。
ニコライ・ゲラシモフ&ユーリ・ゲラシモフ(ロシア科学アカデミーカムチャツカ太平洋地理学研究所)「カムチャツカにおける州立禁猟区の問題点」
今後ゲラシモフさんから講演要旨や主な図の提供を受けてアップするつもりです。参加者の平泉秀樹様がこの時の聞き書きから以下に情報をまとめておられます。 http://homepage1.nifty.com/wetland/site0000/)
当日お二人が使われたPPTのPDFファイルは以下です。
Japan-zakaznik2011small.pdf へのリンク